地図の凡例と題辞。癸酉年5月3日に「三芸」によって書かれたもの。この地図は五大洲の区別を主眼とし、一般向けに地球の大勢を理解させるための略図として作成された。貼り合わせやすいように国境線の凹凸を簡略化し、全体を約17片に分割している。 凡例には、欧羅巴(仏蘭西、普魯西、大英帝国など)、日本、亜米利加、南亜米利加州の智利(条約国として色分け)といった主要国が記載されている一方、多くの小国や島嶼は省略されていることが記されている。幕末から明治初期にかけての日本における世界地理の認識や、一般への地理知識普及を目指した地図作成の一端を示す歴史資料である。